初心者さん向けスケッチに向いている花の選び方
スケッチ場所へ着いたら、さっそく今日描く花を決めます。
小さな花ならなんでもいい、というわけではありません。選ぶ花によって初級者向け~上級者向けまで難易度が変わってきます。
ポイント1:パーツが少ない花を選ぶ
花びら1枚、茎1本、しだ1本、葉1枚、枝1本と、ざっくりでいいのでパーツの数を数えてみてください。バラやタンポポのような数えるのが嫌になる花はレベルが高く、チューリップのようにすぐ数え終わる花は初心者さん向きです。

ポイント2:シンプルな形状で複雑な模様がない花を選ぶ
例えば、あやめや菖蒲はパーツ数としては少ないですよね。でも花びらの模様、縁の形状が複雑だったりします。こうした花は意外と難しいので、スケッチ回数を重ねてからの方がおすすめです。

ポイント3:花びらがはっきりと見やすく、規則的に並んでる花を選ぶ
チューリップのように、パーツが少ないお花って意外と少なかったりします。それでしたら、コスモスのように花びらの形がはっきり見えて、かつできるだけ規則的に並んでるものを選んでみてください。
桜のように色が淡く、隣の花びらとの境界が見えにくいものは描きにくいので中級者向けです。ぱっと色鮮やかな花の方が描きやすいと思います。

ポイント4:見るからに疲れていない花を選ぶ
花は早いものだと開花から3日程度で疲れが見えてきます。
しゃきーんと伸びていた茎が少し傾いて花まで一緒に傾いていたり、何枚かの花びらが散ってしまったり、花びらの縁が茶色く枯れているものも。
そんな疲れが見えているお花は、残念ですがスケッチ候補からはずしましょう。もちろん描いてもおもしろいのですが、一部形が崩れているためスケッチの難易度が上がります。初心者の方は避けた方が無難です。

ポイント5:単独の花としてスケッチしやすい花を選ぶ
これはもう単純に描きやすいかどうか、という問題です。同じ花でも、よくよく見ると描きやすいものと描きにくいものが混在しています。
花びらの一部が他の花に隠れてしまっている。他の花の茎が重なって、どれを描いたらいいか見分けがつきにくい。花がそっぽを向いてしまっている。こういった花はNG。
パンジーのように群れて咲くタイプの花も、花1・2本だけスケッチしやすいところを探してみてください。花壇をつぶさに眺めていると、ぽつんと咲いているものや、他に比べて花の密集度が低くなっている場所が見つかります。
スケッチを成功させるポイント
風のない日に描く
海の近くなど、基本的に風が強いという土地もあります。ある程度仕方がない部分もありますが、できるだけ風の弱い日にスケッチデビューしましょう。揺れてる花を描くのは初心者にはまず無理と思ってください。
個人的な感覚ですが。安定してスケッチができるのは風速2mまでだと思います。風が当たりにくい場所にあったり、サザンカのように木に咲く花でもせいぜい3mまで。風速が4m以上ある時は日を改めましょう。
特に初めてのスケッチは天気予報とにらめっこして、できるだけ無風の日の決行がおすすめです。
極力立った状態で描かない。特に中腰は厳禁
写真を撮るとき、アングル(角度)を良くしようとしてよく中腰になる人いますよね。花スケッチをするときも、花の高さによっては中腰で描くのがベストアングルなんてことも。
けれども中腰はかなり確率で腰痛の原因になります。5分間の走り描きスケッチで終えるならまだしも、30分かかるようなスケッチではやめた方が無難。
しゃがむか立つかで対応できない花については無理をせず、写真を元にゆっくり自宅でスケッチするのがおすすめです。
その場で描くというお散歩スケッチとは違ったものになってしまうものの、腰痛がクセになると野外スケッチ全般がつらくなってしまいます。体に負荷のかかる部分は文明の利器に頼っていいかな、と個人的には思います。
スケッチを始める前に写真を撮っておく
時間帯や花の種類によっては、描いている間に花がゆっくりと変化していくことがあります。また、描き終わらないうちに時間切れとなってしまうことも。
そこで保険の意味も含めて、描き始める前に花の写真を撮っておきましょう。もしできることならカメラの設定を調節し、写真と実物で大きく色が変わらないようにしてください。特に原色系の花(赤や青)は色が変わりやすい傾向にあります。
ミラーレスや一眼レフなど、高いカメラは比較的原色を再現しやすい気がします。ガラケーで撮った写真が使い物にならなくて後日ミラーレスで撮り直したら、気になるほどの変色は起こりませんでした。
線はなるべく薄く描く
これから始まるスケッチ手順では一番最後に清書作業が入ります。たくさん描いてきた足場を消すわけですが、この線を普通の力で描いてしまっていると跡が残ってしまうことも。
集中していると、消す線だということを忘れてついつい力を入れて描いてしまいます。紙に芯がめり込むような強い線にならないよう、ご注意を。筆圧が強い方は2Hよりもっと柔らかい芯(HBなど)を使うといいかもしれません。
※清書なしで仕上げますという方は除く
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