文字ではなく、絵で気持ちをあらわす
絵手紙を通じて日々の生活を見つめなおす
絵が描けるようになったら、日々の生活への思いを絵手紙であらわしてみませんか。絵を通じて日常とらえ直すのは、日記などの文章とはまた違った新鮮さがあります。
絵手紙のいいところは、肩肘はらず、気さくに描けるところ。むしろ気取って描こうとした途端にうまくいかなる類の絵です。それはそうですよね、素朴な日常に金箔つけて飾ろうとするのは無理があります。
だからでしょうか、「絵手紙を描こうかな」たまにふとそう思うのです。
お行儀の良い作品に疲れたら、絵手紙 を描いてみる
私は水彩画を描くとき、「きれいに、見栄え良く」と背筋を伸ばして描いてしまうところがあります。
きっとピアノやダンスでも同じだと思いだと思います。趣味を作品として人に見せる以上、その行為にはある程度の緊張感が伴うのではないでしょうか。そして心の中では、ちょっと見栄を張る気持ちもあったりする。
でもそうやって”お行儀の良い絵”ばかり描いていると、たまに気疲れを覚えます。もっと自由に人目なんて気にせず、ぱーっと描きたいなと。絵手紙でも描こうかなと思うのは、たいていそんな時です。
絵手紙 を描くコツ
スキルは捨てる。感情を頼りに描き走る
色が線からはみだしてもいい、線が荒くてもいい。そうして「えいやっ!」と描いた絵は、普段の絵とはまるで違うものになります。
きっちりした下書きもなし。構図も配色も直感勝負。多少の色むら、はみ出し上等。「こうしたら、おもしろいんじゃないか」というワクワク感だけを頼りに突っ走ります。このワクワクを新鮮なまま真空パックする、そんなイメージで絵手紙を描いてます。
そうして出来た作品がこんな絵手紙です。見て、クスっとしていただけたら私の狙いは的中です(笑)。
なにか秋のお便りらしい絵手紙を描きたいな、そう思ったのが出発点でした。そこに私の好きな猫をからめたいと考えて、サ○エさんの1シーンのような絵に仕上がりました。
変に取り繕ったところがない分、かなりヘタっぴに見えると思います。他の絵と見比べて、あまりの違いに驚かれるのでは。
絵手紙 のネタとなる小さな感動のつかまえ方
「絵手紙を描いてみたくても、そう毎日ネタなんてないし……」
わかります。1年をとってみても、日々の大半は平凡そのもの。大事件が起きたり、感動で涙する機会はそうそうありません。かといって豪邸にでも住んでるわけでもないので、絵を描くに値する美しいものもなかなか見当たらない。
そう。私もみなさんも毎日が平凡です。でもよく目をこらし、心の小さな反応にも耳をすませてみると――意外といいネタが見つかるんです。これが。
今日買ったイチゴの形がおもしろかった、通勤帰りにふと思い浮かんだことがあった、家族が口にした言葉をおもしろいと思った、などなど。
来たっ!と思った瞬間に、獲物が大物か小物かは気にせず即座にすくいあげる。これがコツです。
そして時間をおかずに描き始める。絵手紙のネタは生物。「時間がないからまた明日」なんて言っていると、鮮度が落ちてしまう(感動が記憶から薄れる)ことも。
感動とは感情が動くこと。心のアンテナが日常生活で大きく反応することはあまりありません。けれども小さい反応だったら、一日に何度か起こっているはず。じっとアンテナの動きに注意してみてください(^^)
美しい絵より、遊び心の作品の方が人の共感を呼ぶことも
絵手紙はあなたの等身大。飾り付けのない、ストレートな感動が詰まった作品はぜひ誰かに送ってみましょう。もし送る相手がいなければ、自分のブログやSNSで公開するという手もあります。
実はきれいな絵より、ネタとしておもしろい絵の方が人の共感を呼ぶようで。渾身の力作より、半ばお遊びで描いた絵手紙の方にたくさんのいいね!がついて、ひそかに落胆したことがあります(笑)。
ワクワク感をそのまま閉じ込めた絵の方が、そうでない作品より人の心にインパクトを与えるのかもしれません。
絵を描く理由は人によって様々でしょうし、その時の心理状態によっても変わるものだと思います。人の共感を呼びたい、描くことで自分の癒しにしたい、難しい絵に挑戦して腕を試したい、など。
時には普段と違ったスタイルの絵を描いてみると、自分の絵に対する思いや描く理由などを見直すきっかけにもなります。
背筋を伸ばしているのは、なにも絵を描くときだけではありません。日々の生活の中で疲れを覚えたときにも、素直な自分に立ち返れる絵手紙はおすすめです。