初心者の方でも楽しめる、小さな絵を描いているデジタル絵画教室です

お絵描き初心者が大きな絵を描くのは大変
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初心者さんが小さな作品からスタートした方が理由とは?

キャンバスが大きくなるほど作業量が増える。お絵かきソフトにも相当の慣れが要る

当パソコン絵画教室では、広々とした風景画、花瓶からあふれんばかりの花、といった大きな絵を基本的には描きません。

絵が苦手な方にとって。どこから描いたらいいのか迷うような複雑な絵は、もうそうれだけで大きなプレッシャーとなってしまいます。

その点小さな絵であれば、「私にもできそう」と自信を持って描くことができるのです。

それにサイズが大きいほど、色を塗る前の下準備に時間がかかります。線画を描くだけでも数日かかる場合もありますし、色も何十色と作らなければいけないからです。

やっと色を塗る段階になっても、今度は何十枚ものレイヤーを使い分けながら色を塗っていくのです。

つまり、お絵かきソフトの操作にもある程度慣れている必要があります。とても初心者ができることではありません。

もちろん将来的には大きな絵を描きたい方が多いかと思います。でも今ははやる気持ちを抑えて、小さな絵をマスターすることを考えてみてください。

大きな絵も小さな絵も描き方の基本は同じ。小さな絵を自由に描けるようになれば、同じやり方で大きな絵もおのずと描けるようになります。

モニターより大きい絵を描くのは初心者にとってつらい

デジカメや一眼レフなど経験がある方は、解像度の話を聞いたことがあるかと思います。

色鮮やかできめの細かい作品として印刷するには、高い解像度で撮影する必要があります。

そしてこの写真をパソコンで開いてみると、画面からあふれんばかりの大きさであることがわかります。印刷すれば、手のリサイズのL版の写真になってしまうのですが。

この考え方はパソコン絵画でも同様です。わかりやすく、私の環境における例を図にしてみました。

ハガキサイズでも印刷用の絵はかなりサイズが大きい

なんとなくおわかりになるでしょうか。ハガキをモニター上に載せてみるとたいした大きさじゃありませんよね。このサイズの絵を描くくらいなら、たいしたことがない――と思いきや。

高解像度できれいな絵を描こうとすると、画面サイズより大きな絵(全体を映すには縮小しないと納まらない)を描く必要があるのです。印刷用だと、縦横x3倍くらいのサイズが標準です。

私の使っている17インチのモニターは、ざっと目視して、縦25cm・横35センチくらい。これよりもさらに大きな絵を描くわけなんですね。

つまりハガキサイズの絵でも初心者にとってはそれなりの大作であり、日数がかかります。ポストカードより大きいB5やA4サイズともなると、とても太刀打ちできるものではありません。

そもそも家庭用パソコンで大きな絵を描こうとすると、パワーが足りない

そして負担がかかるのは描き手だけではありません。パソコンも同じです。

絵を描く、音楽や動画を編集するといった芸術系作業は、ネット検索や書類作成に比べてはるかに大きなパワーを必要とします。

そのため創作系の趣味や仕事をお持ちの方は、少し高価な高性能パソコンを使用するのが一般的です。

個人的な感覚ですが。家庭用のごく普通のパソコンで印刷用の絵を描くのは、B5サイズが限界かと思います。パソコンによってはB5でも厳しいかもしれません。

私のパソコンはゲーム用に少し性能が良いものを買いましたが、それでもA4サイズを描く際は遅延が生じることも。クリックしても反応が遅かったり、しばし画面が真っ白になったりします。

絵を描く労力の問題、そして必要となるパソコンの性能の問題。これらを考慮して、当教室では小さめの絵を描くことを基本としています。

絵のサイズが変わったところで絵の描き方は変わりません。ですので小さな絵で描き方を習得すれば(そして高性能のパソコンがあれば)、大きな絵を描くことは十分可能です。

※解像度についての説明補足
絵のクオリティにこだわらず印刷する分には解像度を気にする必要はありません。そのかわり、グラデーションやぼかしがきれいに表現されない、全体的にぼやっとした絵になるなど見た目が劣化します。

SNSのアイコンやブログ記事の挿し絵など、ネット上に載せる絵は解像度を気にしなくても大丈夫。モニター上のサイズと同サイズできれいに掲載されます。

大きな絵は色塗りの難易度も上がる

大きな水彩画を描く時でも、筆は小さい水彩画のときとあまり変わらないサイズを使います。

お絵かきソフトに巨大な筆がないという事情によるものですが、これも本物の画材による製作工程がソフトに反映された結果かと思われます。市販されている筆の大きさには上限があります。それと同じことです。

以前、ある有名な水彩画家の個展を見に行ったときのこと。大きさなサイズの絵が直径5mmほどの緻密なストロークで描き込まれていて、その労力を想像して驚いたものです。

もちろんある程度大きな筆を使って描くこともできます。しかしそれでは繊細なタッチが崩れてしまったり、色むらができやすくなったりと小さな絵とは勝手が違った事態も起こります。

絵が大きいと何日もコツコツと描き続けることになります。すきま時間で描いている方であれば、1ヶ月以上にも及ぶかもしれません。

そうなると初心者の方にとっては、やはり描いていてつらくなると思います。筆の制御が思うようにできない、描けば描くほど色むらはひどくなる。そしてまだ自分で対処するだけのスキルはない。

楽しみたくて、リラックスしたくて絵を描いているのに。描くのがつらいだなんて、本末転倒ですよね。

それだったら大きな絵を苦労して1枚描くより、小さな絵を楽しみながら何枚も描いた方が趣味としてはいい。実力も早くつく。当教室ではそう考えます。

小さな絵の方がグッズ加工など使い勝手がいい

苦労して描き上げた絵を印刷して部屋に飾っておしまい。それだけじゃ、もったいないと思いませんか?

私は1枚絵を描くと、SNSへの投稿、ポストカード作成、グッズ作成とフル活用して楽しんでいます。

最近同人業界の流行りもあって、1点からオリジナルグッズを作れる印刷所が増えてきました。しかもマグカップやクリアファイルなど、日常生活で気軽に使えるグッズをお手頃価格で作れるんです。

私も数点作ってみました。鏡の制作費は1枚100円程度です。

こういったグッズは絵のプリント範囲が狭いので、小さな絵の方が案外相性が良かったりします。

たとえば鏡では、絵の周囲を丸く切り抜いています。バッジやコースターでもおなじみの丸型グッズでは、日の丸構図で主役がひとつという絵の方が作りやすいのです。

人気のスマホケース・パスケースも絵の印刷範囲が限られています。大きな絵の一部を切り取るという手もありますが、バン!と主役が決まってる構図の方がインパクトのある仕上がりになると思います。

背景もシンプルな方が素材の色を生かした作りができます。

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