印刷用の絵のサイズは何ピクセル? 新規ファイルのサイズ計算式を紹介

目次

印刷したい絵のピクセルサイズはどう決める?

お絵かきソフトで絵を描く時、新規ファイルのサイズはどうやって決めていますか?

モニターと同じサイズだったり、なんとなく決めている方が多いのではないでしょうか。

モニター上で見たりSNSへ投稿しているだけであれば、それで問題ありません。私も特にこだわりがないときは、とりあえずモニターサイズにしています(お絵かきソフトの初期値だし)。

でも印刷用、またはグッズ作成用の絵となると話は別。プリントサイズを考慮して、サイズを決める必要があります。

たとえば、私はよくA5サイズで絵を印刷しています。このサイズでプリントすれば、インチサイズの額にぴったり収まるからです。

あれ? でも印刷サイズはcmやmmですが、お絵描きサイズの新規ファイルサイズの単位はpixcel(ピクセルと読みます。pxと略されることが多い)でしたよね。

お絵かき初心者さんは、まずこの単位の違いで戸惑うかと思います。

「じゃあ、A5サイズ(cmまたはmm)をピクセルサイズに変換すればいいのでは……?」

その通りなんですが、それだけじゃ足りないんです。

絵をキレイに印刷するには、解像度が重要

印刷サイズは、絵を描き始める前に決める必要がある

きれいに印刷できる「印刷解像度」を決めて、その数値をかける必要があります。この解像度も用途や印刷所(業者へ依頼する場合)で数値が異なります。

このあたり、初心者さんの方にはすぐの理解が難しいと思います。私もこのカラクリがわかるまで、しばらくかかりました。

しかもやっかいなことに。このサイズは絵を描き始める時点で決めておく必要があります。描いてから印刷サイズにあわせて拡大を行うと絵が劣化してしまい、汚くなってしまうからです。

「ひとまず適当なサイズでファイルを作って、絵が完成してから印刷サイズに調整しよう」では遅すぎます。先に計算が必要です。

ここでは実際の例を通して、A5印刷用に必要なピクセルサイズを算出してみたいと思います。やり方さえわかれば、はがきサイズやA4など他のサイズにも応用できます。

そうやって自分で何度か計算していると、カラクリが少しずつ分かってきます。がんばってみてください。

解像度とは?

唐突ですが。パンの生地を思い浮かべてみてください。

実はあの生地って、薄く伸ばすとピザ用にも転用できるんです。昔、パン生地が残るとよくピザにしていました。

この生地の厚み、それが解像度だと考えて下さい。つまり、用途によって値が変わります。

そして厚みがあるほうが重厚なパンになるように、解像度の値が高いほうがハイクオリティの印刷に仕上がります。

ものすごく単純化すると、こんな感じです(^^ゞ 重厚なパンが高級品なのか、とか細かい点は気にしないでください。

一般的には以下のような解像度がよく使われています。

・きれいな印刷(作品用など):300
・若干クオリティを落とした印刷:200 ※一昔前の「きれいな印刷」基準
・印刷所から指定される解像度:300、または350が主流

ちなみに。仕事でWord文書作って印刷するといった、品質が求められないシーンにおいて解像度は気にしなくて大丈夫です。会社では誰もそんなこと気にせずにプリントしてますよね。

作品やグッズ制作、自室にきれいな絵を飾りたい!という目的がある場合には解像度を考慮します。

私が作品を印刷する時も、解像度300でピクセルサイズを算出しています。

必要なファイルサイズを算出する

では、「作品印刷用」「解像度300dpi」、「印刷サイズはA5(横)」という設定のもと、新規ファイルを作ってみます。

ぜひ計算機を用意して、一緒に計算してみてください。

1.印刷サイズを確認

A5(横)なので、148x210(mm)ですね。基準となる値なので、忘れないようにメモしておきます。

2.mmサイズをインチサイズに変換

なぜ直すかというと。解像度は「ピクセル/(パーと読みます)インチ」という決まりがあります。

これは「1インチにドットがいくつ詰まっているか」(先程の生地の密度です)をあらわします。

最終的なピクセルサイズを出すためには、この式へ当てはめる必要があります。そこでmmサイズをインチサイズへと変換し、単位を揃えます。

では計算機を使いながら、やってみましょう。

1インチは25.4mmでになります。ということは、縦横それぞれを「25.4」で割ればインチサイズが出ます。端数が出て問題ありません。

計算機にこの端数を表示させたまま、次へ進みます

3.インチにピクセルをかけて、必要なサイズを算出

先程の解像度の公式、「ピクセル/(パー)インチ」を使います。

作品印刷用なので、1インチあたり300のピクセルが目安となります。この条件を満たせば、印刷解像度300dpiを達成できます。

先程計算して出てきたインチサイズに、「300」をかけます。

出てきた値をメモします。小数点以下は切り捨てでかまいません。結果はこのようになりました。

あとはこのピクセルサイズを元に、お絵かきソフトでファイルを新規作成します。お疲れ様でした。

※計算を理解するためのかなり端折った説明ですので、「ピクセルの本当の意味はなに?」「dpiとppiは違うの??」など細かな点にはふれていません。気になる方はググってみてください。

【補足】お絵かきソフトによっては、印刷サイズの自動算出機能がある

お絵かきソフトArtRageには、印刷サイズを入れると自動的にピクセル変換してくれる機能があります(※計算式の原理を説明したかったので、先程はあえて使いませんでした)。

お使いのソフトにも似たような機能があるかもしれません。

ご参考に。ArtRageにおけるこの機能の使い方をご紹介します。

実際試してみたい方は、以下の記事を参考にArtRageの無料体験版を入れてみてください。起動後、メニューの「ファイル」→「新しい作品」と進むと、説明と同じ画面になります。

1.「印刷サイズ」をクリックします

2.「ピクセル/インチ」に解像度を入れます。先程の例なら300です。

3.「横」と「縦」に印刷サイズを入れます。A5なら14.8x21.0(cm)ですね。お好みでmm設定も可能

4.「画面用サイズ」をクリックします

5.すでに計算されたピクセルサイズが入っています。先程同じ値です。あとは「OK」をクリックし、ファイルを作成します。

この設定をプリセット登録しておくと、次回からはワンクリックでファイル作成ができて便利です。

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