同人工房でイラストグッズを作ろう①グッズ作成用データの作り方

同人工房で作ったイラストグッズ
目次

安くイラストグッズを作るには労働しよう

イラストグッズ作りの聖地、池袋の同人工房さんへ行ってきました♪

追記)池袋店は閉店になりました。お茶の水店は引き続き利用可能です

こんなオリジナルグッズがとてもお安く作れちゃうんですよ。缶バッジなんて、1つ30円で作れるから驚きです。

印刷屋さんに頼むと高いクリアファイルも1枚250円から。他にもマグカップやらミニタオルやらいろいろ。

でもこんなに安いということは……そう。その分、労働で対価を払いましょうってことですね(笑)。

グッズ作りそのものは工作気分で楽しくできちゃうからいいとして。問題はその前のデータ作成。特に私のようにPhotoshopもIllustratorもない、という人にはかなり高い壁ではないかと思います。

Adobe様の力がなくてもグッズは作れるのか。
RGB(※CMYK未対応データ)でひどい発色にならないのか。

そんな疑問に答えるべく、実体験に基づくレポをお届けします。

第1回目の今日はデータ作成です。以下の作業はパソコンで進めていきますが、タブレットで描いた絵もグッズ用に使えますよ(^.^)

手順①グッズ用のテンプレートをダウンロードしよう

同人工房さんに限らず、グッズ作成を請け負っている印刷会社の多くは専用テンプレートを配布しています。

さっそく、公式サイトのテンプレート配布ページからダウンロードしましょう。あらかじめ自分が作りたいグッズを商品一覧で見繕っておいて、必要なものだけ落とします。

※一部商品は、商品説明ページにテンプレートのダウンロードボタンがあります。

ダウンロードしたファイルを解凍すると、フォルダが現れます。中はPhotoshop形式(.psd)のファイルの詰め合わせです。

缶バッジのテンプレートには6つのファイルが入っています。

同人工房の缶バッジテンプレートファイル

手順②-1:テンプレートファイルをお絵描きアプリで開く

私が愛用しているArtrage(アートレイジ)は、ありがたいことにPhotoshop形式のインポート・エクスポートに対応しています。ドラッグ&ドロップですぐ反応してくれました。

ArtrageによるPhotoshopファイルのインポート

もしお使いのソフトが非対応でしたら、こちらの記事がお役に立つかと。

さて。これでテンプレートファイルを読めるわけですが、ここで問題勃発。

ArtrageはCMYK非対応であるため、Photoshop形式対応といってもCMYKのデータは読めないという制約があるのでした。

実際そのためなのか、テンプレートファイルによってはこのようなエラーが出てしまいました。

Artrageのインポートエラーメッセージ

さあどうする?

開けない時の対処法①他のソフトで開いて上書き保存

そこで思い出したのが、昔から使い続けていた「Paint Shop Pro」というグラフィック系のソフト。これでサクッと開きました(これもCMYK非対応のはずなのに?)。

そこでこれ幸いとPhotoshop形式で上書き保存。このデータをArtrageに読ませてみると、無事開きました。

けれども中には、どうしても開かないファイルもあったんです。

開けない時の対処法②一から作ってしまう

レイヤーの透過ロックを外す、ブレンドモードを変更するなど思いつく限りを試してみましたがだめでした。

そこで最後の手段に出ました。

Paint Shop Proでは問題なく開いたので、ファイルの内容(レイヤーの中身、キャンバスサイズなど)はすっかりわかっています。

ArtrageはPhotoshop形式にエクスポートが可能。それなら一から作ってしまえばいいのでは?

さっそくArtrage側で、テンプレートと同じキャンバスサイズでファイルを新規作成。解像度も確認したものと同じにあわせます。

Artrageによる印刷解像度設定

そしてPaint Shop Proから、レイヤーの1つを試しにコピーしてみました。Artrage側に貼り付けは……おぉ、できる!

こうして全レイヤーをコピーし、レイヤー名も設定して作ったファイルをPhotoshop形式でエクスポート。

Artrageのエクスポート画面

もしお使いのソフト間でコピペができない場合は、各レイヤーの内容を透過Pngで書き出し→Photoshop形式でテンプレートを作成したいソフトにインポート、というやり方でいけるかと。

でもこれは非公式のやり方なので、どうしてもだめだったらまずは同人工房さんに聞いてみるのが確実だと思います(^^ゞ

手順③画像や文字を配置する

テンプレートのレイヤー構成

改めて、テンプレートファイルに含まれるレイヤーを確認してみましょう。

以下の図は32mm缶バッジのテンプレートにおけるレイヤー構成です。拡大しちゃったのでちょっと画が粗いです(^^ゞ

同人工房の缶バッジ32mmテンプレートのレイヤー内訳

テンプレートにより入っているレイヤは異なりますが、概ねこの3種類です。

  • アタリ/説明文のレイヤー
  • イラストを配置するレイヤー
  • トンボのレイヤー

※一部説明のみのテンプレートも有り

どのレイヤーがどれに該当するかは、レイヤー名(例「イラストを配置してください」など)を見ればすぐわかるようになっています。

今回はこの32mm缶バッジのテンプレートを使って、データを作ってみることにします。

もちろん、公式サイトさんにも作り方のページがあります。あわせてご参考になさってくださいね。

イラストをレイヤーへインポート

画像のインポート機能を使って、イラスト用のレイヤーへ缶バッジにしたい画像を取り込みます。イラストはもちろん、ペットの写真などでもOKです。

テンプレートファイルには3つの円が描かれています。

同人工房の缶バッジテンプレート

「仕上がりサイズ」は缶バッジの寸法ですね。もし猫の写真を使うなら、主役の猫はこの中へ収まるようにします。

でも印刷時にずれると、背景が不自然に切れてしまうことも。そうなったときのために、背景を仕上がりサイズより広めにとります。

これが「塗り足しこみサイズ」の円です。模様のパターン画像を使う際は、この円を覆うサイズにします。

文字を入れる際は、「文字等配置の場合の安全サイズ」の円へ収めるようにします。

以上をふまえて配置してみました。こんな感じです。

同人工房の缶バッジテンプレートへイラストを配置

猫は仕上がりサイズの円に収まりつつ、背景のテクスチャー部分は塗り足しこみサイズを覆っています。

もし画像が小さすぎる場合、無理な拡大はおすすめしません。画質の劣化を招いてしまうからです。

私もイラストが小さかったので、かなりギリギリで配置しました。もっと大きめのサイズで作っておけば良かったです。とてもクリアファイルなど大物グッズには使えません(-_-;)

はみ出し部分を削除する

私は自動選択ツールを使いました。仕上がり円の内側を自動選択し、選択範囲を反転。選択対象を削除すれば、きれいに切り取れます。

Artrageで缶バッジ作成用のデータを作る

もし選択ツールがなくても、缶バッジに関しては消しゴムでおおよその範囲を削除すれば大丈夫です(制作の過程で円の外側を切り落とすため)。

公式サイトのメイキング漫画でも、トンボさえ見えればはみ出してもOKとあります。

文字を配置する(※必要な場合のみ)

先ほどもふれましたが、文字は「文字配置の場合の安全サイズ」の円の内側に収める必要があります。

こんな感じですね。これですべての配置が完了しました。

缶バッジデータに文字を配置する

手順④レイヤーを統合する

仕上げにレイヤーを統合します。

レイヤー名には説明文が含まれていますが、統合前に削除と書かれたものがあります。まずはこれを削除。

次に、画像(イラストや写真、背景パターンなど)を1つのレイヤーに統合します。

トンボ線のレイヤー、それから「削除不可」と説明にあるレイヤーは統合しないまま残します。

缶バッジ32mmの場合、完成したデータは画像とトンボ線の2レイヤー構成になります。最初はとっつきにくいですが、2・3個作るとだいぶわかってくると思います(^.^)

同人工房 缶バッジ32mmテンプレート完成図

手順⑤ファイル名を変更してPhotoshop形式に出力

Photoshop形式としてファイルをエクスポートします。ここでファイル名を初期設定から変えましょう。

同人工房さんのサイト説明によると、わかりやすいファイル名が望ましいとされています。種類や個数・色がわかるものがいいそうです。

テンプレートファイルには「mirror」などグッズ名がついているので、後ろに文字を付加するのがおすすめです。

参考までに、私はこんな感じで名前をつけました(色は入れ忘れた……)。最後に「×●」と個数を入れています。みんな1個ずつですね。

同人工房用データのファイル名の付け方

当日お店では、作るグッズの種類と数を聞かれます。

その際、「ファイル名の通りです」と言えるとお互いスムーズです(※USBメモリを預けてその場でデータ確認をしてもらいます)。

私の場合はスタッフの方が「数はこのファイル名の通りですか?」とすぐに気付いてくれました。

あと、紙にも各グッズの数を記入します。おおよその数でかまわないのですが、私はうろ覚えだったのでちょっと焦りました(^^ゞ メモ帳でもスマホでもなにかしらに記録しておくと便利です。

なおPhotoshop形式に出力できないお絵描きソフト(アプリ)の場合、pngやjpgでも入稿OK。ただし例外のグッズもあるかもしれないので、最新情報は公式サイトをご確認ください。

手順⑥出力したPhotoshopファイルをUSBメモリーへコピー

最後に、USBメモリーへPhotoshopファイル(.PSD)をコピーして終了です。

なお公式サイトの説明によると、余分なデータは入れないようにとのこと。余計なファイルはいったん取り出しておきましょう。

次回はいよいよグッズ作成編です。

同人工房さんは、基本的にセルフサービス。缶バッジももちろん、自分でガチャコンして作ります。

果たして不器用な私でも失敗せずにできるのか? そして、同人系ショップ初デビューはうまくいくのか(笑)。次回へ続きます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください (If you are overseas, please send an email from the inquiry page.)

CAPTCHA

目次