「パレットナイフ」

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パレットナイフツールの設定

パレットナイフとは、色のブレンドやぼかしなどの効果を生み出すツールです。単体で描画に使用することもあれば、水彩や油彩といった他のペイントツールと併用することもあります。

本物のパレットナイフは基本的に油彩専用ですが、ArtRageでは画材を問わない装飾用のツールとして利用されます

絵の具の混色や均一化(フラット)、水彩画のぼかし表現(ウェット)といった技法表現も可能です。

Artrageの使い方:設定

設定画面を開くには、ツールピッカーからパレットナイフを選択した状態で「設定」をクリックします。

パレットナイフでは選ぶ「タイプ」により、表示される項目内容が変化します。詳しくは「タイプ」をご覧ください。

設定値の詳細

※パレットナイフの設定は難解なため、「基本的にはプリセットを使う。プリセットの中で気になる値だけ修正する」というやり方を推奨します。

プリセット

パレットナイフには、「Hard Out Smear」(絵の具の引き伸ばし)や「Hard Wet Blender」(水ぼかし)といったプリセットが用意されています。

タイプ

タイプとは、効果の異なる5つの機能のことです。2種類のブレードタイプと3種類の特殊効果タイプがあります。その都度、使いたいものに切り替えて利用します。

  • ブレードタイプ(B):実際のパレットナイフに近い機能を持ちます。ナイフのエッジを生かした描画や装飾が可能
  • 特殊効果タイプ(T):ぼかしなど、装飾に利用。ブレードタイプとは異なり、単体では利用不可。他のペインツールと併用します
フラット(B)

ナイフの刃を利用して、キャンバスに絵の具を広げます。

フラット

エッジ(B)

ナイフの刃のエッジを利用して、キャンバス上に細い線を描きます。


ソフト(T)

カーソルに沿って絵の具を引っ張るような効果を与えます。


ぼかし(T)

カーソル下のペイント上に、ピンぼけのようなぼかしを作成します。

ぼかし

ウェット(T)

ナイフがスプリンクラーのように水滴を散らし、色の広がりとぼかし効果を与えます。絵の具同士のブレンドにも使えます。

筆圧

筆圧とは、キャンバス上でどれだけ強くナイフを押しつけるかという圧力のことです。

元となる筆圧の基準は入力装置(ペンタブなど)に基づきます。筆圧に対応している入力装置であれば、自分の手で筆圧を加減させることが可能です。

筆圧が変わると、ナイフのサイズや効果の範囲が変わります。

補充量

補充量とはナイフに含ませる絵の具の量のことです。補充量を少なくした状態で一筆描いてみると、途中で絵の具が少なくなってかすれます。

自動洗浄

自動洗浄とは、一筆書き終わったらナイフを洗うかどうかの設定です。

オンではナイフが洗浄されます。オフでは洗浄されないため、一筆前に描いたとき(※下図の左側)に色のブレンドが起こっていると、次の描き出しにもその色が反映されます。カラーピッカーとは別の色で描かれます。

オフの時ナイフを洗うには、カラーピッカーの左に表示されるグラスをクリックします。

回転を固定

回転を固定とは、ナイフを回転させるかどうかの設定です。

オンの時、ナイフの向きは固定されます。オフの場合は、ストロークに従ってナイフが回転します。

回転

回転とは、ナイフをどの程度固定するかの角度のことです。「回転を固定」がオンの時、表示されます。

こする

こするとは、ナイフを動かした時に移動するペイントの量を意味します。数値が大きいほど移動量は大きくなります。

柔らかさ

柔らかさとは、ぼかす量のことです。数値が大きいほどぼかしが広がります。

広がり

広がりとは、水滴がストロークの中心からどれだけ飛び散るかという距離の度合いです。数値が大きいほど、より広い範囲にナイフの効果が現れます。

水滴のサイズ

水滴のサイズとは、タイプ「ウェット」を選択した時に適用される水滴の大きさのことです。

水滴の突起

水滴の突起とは、水滴がキャンバスに飛び散る際の強さの程度を意味します。

この数値が大きいほど水滴は不規則に散り、ぶつかり合って形がボロボロになります。結果として、色の散る範囲が広がります。

色の広がり

色の広がりとは、各々の水滴にペイントがどれだけ広がるかという程度を表します。

数値が大きいほどペイントの移動量が増え、水滴の縁が硬くなります。

数値が低いとペイントの移動量が少ないため、なめらかな水滴となります。

色の移動

色の移動とは、キャンバス上のペイントの色が水滴と一緒にどれだけ移動するかを意味します。

この数値が大きいと、ストロークに連れて色がある程度移動します。小さいと、色は元の位置からそれほど移動しません。

使い方のヒント

  • タイプや設定によっては装飾用となるため、パレットナイフ単体で使うことはできません。例えばタイプが「ウェット」の場合、あらかじめ装飾対象となる塗りが必要です。何もないところで使っても、何も起こりません
  • ウェットタイプを使うと、簡単に雲を描画できます。絵の具チューブで白と灰色を少量並べ、上からナイフをかけて溶かします。

パレットナイフツールの使い方の一例

伝統的な油彩画のスタイルです。絵の具を置いて、ナイフでならす、引き伸ばす、ブレンドする、と3つの動作を行っています。

お好みにもよりますが、この動画ではフラットとソフト2種類のナイフを使っています。

絵の具をならす、均一にする(油彩)

絵の具を混色する

本物の絵の具みたいに、赤と青から紫色を混色して作ることができます。ArtRageの「リアル混色」という機能によるものです。

暗くしたい色に少量の黒を混ぜる、明るくしたい色に白を混ぜるといった、本物さながらの微妙な色調整も可能です。

絵の具をぼかす(水彩)

水彩画ではおなじみのぼかし技法。ウェットタイプのナイフを使えば、初心者の方でもコツなしで簡単♪

ソフトタイプによる修正(塗り足し・はみ出し削除)

ソフトタイプの絵の具を伸び縮みできるという特性を生かして、水彩画の修正を行っています。

参考情報:Palette Knife- ArtRage公式サイト

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